今年度の講習会は4年ぶり初となるzoomでの開催となりました。

講師は社会人経験後　TDHに進学　卒業、現在東京都恵比寿にある『おおはし歯科医院』で勤務しながら、神奈川歯科大学大学院で口腔状態と栄養に関する研究を行っている喜田さゆり先生です。

［人生100年時代！！知っておきたい　歯周病・栄養・身体のエビデンス]というテーマでご講演いただきました。

　2025年問題が迫っており現在健康寿命と平均寿命が約10年あり、それが短くなれば医療・介護費が減少すると考えられます。生活習慣病である歯周病と全身の健康との関係は知られていますが、歯周病と肥満は関係しエビデンスが高いものとして、糖尿病と歯周病は相互に関係し歯周基本治療はHbA1cを下げる事がわかっています。
　歯周病と栄養の関係について喜田先生の研究では、野菜から食べはじめ、肉や魚のタンパク質 → 米など炭水化物という食事の順番の意識が高い人の方がさまざまな栄養素の摂取が適切であり、歯数が少ないと飽和脂肪酸の摂取が多くなるとのことでした。
　健康寿命を延ばすにはタンパク質不足にしない事が必須で、高齢者の食事量が減っていたらタンパク質から先に摂取することでフレイル予防に繋がることがわかりました。それぞれの年代と口腔内状況に応じた食生活指導が非常に大切であると感じました。
　また、90歳代でインプラント手術をした症例のご紹介や訪問時のインプラントメインテナンスの話をお聞きする事ができ、メインテナンス経過が良好な場合は超高齢でもインプラントは可能である事や訪問時の難しさなど疑問点の解決になりました。

　喜田先生のご講演はテーマに準じて話が組み立てられていて、まとめ方がとてもわかりやすく関心させられました。
　歯科衛生士として勤務し始め5年程経ち、既往歴や服薬など全身状態を把握することの重要性は感じていましたが喜田先生のご講演を聞き、新たな視点が加わったように思います。オーラルフレイルを見逃さないように早い段階から健口体操や栄養指導を取り入れ　患者さんの全身の健康を守っていき、自分自身も健康で長生きしたいと思いました。

　zoomでの講習会が開催可能になったことで、結婚・出産・育児そして介護などでお忙しい方も参加しやすい環境になったと思いますので、幅広い年代の方にお気軽に参加していただきたいです。今後も藤紫会では講習会や研修会等の企画を行なっていきたいと思いますので、ご意見などがございましたらお寄せください。

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